こんばんは。
耳が不自由な作曲家の楽曲が、
実はゴーストライターによるものだったというニュースが話題ですね。
さらにはその「耳が不自由」という事自体が
偽りかもしれないという話まであるらしく^^;
私はこの方の曲を聴いたことがないので、
その出来不出来は論ずることができませんが、
「才能」というものを測るのは本当に難しいことだなと思います。
多くの人は「耳の不自由な作曲家が書いた」という フィルターを通過した上で
「え~!聞こえないのにこんな曲が書けるなんて~」 とか思いながら、
それも曲の背景の一部として聴くわけです。
そこにマスコミさんが「これいいね」と飛びついて囃し立て、
国営放送が特番を制作してしまったりして盛り上げると。
それを「欺いた」だなんだと言うのは簡単ですが、
そうやってハンデキャップも「ウリ」として世に出る、
というやり方が受けるのも事実ですよね。
「ハンデキャップ」があるのにスゴイ! という考え方は、
弱いものに同情半分で味方する「判官贔屓」 にも通ずるところがあり、
特に日本人が好みそうです。
「日本のベートーヴェン」なんていうキャッチフレーズはその最たるですよね。
ベートーヴェンは耳が不自由にだから素晴らしい曲が書けたのか?
その苦悩からインスピレーションを得るところはあったかもしれませんが、
そうでなかったら数々の名曲は生まれなかったのか?答えは「否」でしょう。
「楽聖」と呼ばれたベートーヴェンの場合、
「才能がある人間にたまたまハンデキャップ(しかも晩年)があった」のであって、
耳が聞こえている間にも沢山の楽曲を生み出しています。
つまり「ハンデキャップが才能を育んだ」わけではないのです。
そこを一緒くたにしてしまうあたり、底が浅いと言うか。
特にクラシック音楽なんて一般の方が聴く機会はただでさえ少ないわけで。
日本ではそういう「きっかけ」が無いと認知されづらいのが現実です。
だから日本人の優れた演奏家は皆さん海外を拠点にされています。
土壌として、こういう話が出やすい環境なんだと思います。
で、今回のような不正が発覚したらしたで、
もてはやしていたマスコミさんは今度はしれっと手のひら返して
「叩く側」に回るわけですね。「俺らもだまされた」と。
いろいろなんだかなあ、と思う一件です。
ではまた。
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