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こんにちは。
以前、ジェームス・スキナー氏の「略奪大国」という本をご紹介しました。
詳しくは以前の記事 をお読みいただければと思うのですが、
要約すると「最悪数年以内に、日本は破綻します」という衝撃的な内容です。
非常に説得力のある内容だったのですが、
疑い深いというかひねくれモノの私は、
鵜呑みにするのも何だか悔しい気がしていました(笑)
で、逆に「日本は破綻しません！」と言う論旨の本は無いものかなー
と思っている折に手に取ったのが、今回ご紹介する
- 日本は「国債破綻」しない!/実業之日本社
- ￥1,470
- Amazon.co.jp
です。
著者は経済評論家の三橋貴明氏。
韓国関連の経済書で有名になった方で、著作も多く、
メディア出演も多数こなされているようですね。
※以下ネタバレ注意です。
内容についてはタイトル通りで、
日本が国債によって破綻＝デフォルト(債務不履行)することは、
絶対にありえないというのが主旨。
その根拠を理解するために、
「国債」とはいったいどういう仕組みのものなのか？
どのような種類があって、それぞれどんな特徴があるのか？
といった事にかなりのページ数が割かれています。
最後まで読めばなるほど「なるほど日本は国債で破綻することはないんだな」
と、理解することができるという仕立てです。
少し専門的な話になりますが、デフォルトが債務の不履行、
つまり借りたお金を返せなくなる状態であると定義すると、
本書でも主張している通り「自国通貨建ての内国債」において、
デフォルトというのは絶対にありえません。
この主張自体は元々日本の財政破綻議論の一意見として存在しています。
そして「増税しないと日本の財政は立ち行かない」と散々危機感を煽っている
財務省それ自体も、海外の格付け会社に宛てた意見書の中で、
その事実を正確に認識していることが本書で指摘されています。
にも関わらず、仕組みも目的も違う国の財政を一般家計を比較して、
「年収50万の人が毎年40万円借金し、90万円支出し、
さらに借金残高が900万円もあるのです！」
と単純化して無意味に騒ぎ立てるマスコミさんの低レベル加減と
犯罪的な不勉強さ、それを信じてしまいかねない我々の無知さを痛感します。
そうした風潮に警鐘を鳴らすとという意味では、本書の主張は一貫して
正しいように思えます。
ただ、言葉の定義として「日本国債はデフォルトしない」
というのは確かに間違いないのですが、
それなら日本の経済は安泰で安心なのかというと、そういうわけではありません。
その意味では"日本は「国債破綻」しない！"
という本書のタイトルは少々確信犯的で、出版社の商売っ気が見え隠れしますね(笑)
あくまで「国債破綻」はしませんよ、はレトリックであり、屁理屈と言えば屁理屈です。
現政府と日銀のあまりの経済に関する異常なまでの無策ぶりが続けば、
結局のところ日本は早晩、マスコミが騒ぎ立てているような危機的状況に陥るのです。
この点では「略奪大国」も今回の「日本は「国債破綻」しない！」も同意見です。
我々一般市民が、それを回避するためにできることはあまりありませんが、
最低限、日本の正しい状況を知り、デフォルトとは何か？国債とは何か？
マスコミが連日のように日本破綻論を報じているのに、
なぜ日本国債の利回りはギリシャのように上がらず最低水準で推移するのか？
・・・こうした「当たり前の疑問」「調べればわかる知識」
について情報収集するくらいは、やっておくべきかと思います。
そんな気づきを得られた一冊でした。
ご興味あればご一読を。
ではまた！
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