こんばんは。

先日、とある投資家さんとお会いした時のお話。

ちょっとした相談を受けました。

元々、とあるファンドに投資をされている方なのですが、

その形態が「投資貸付」と呼ばれるものでした。

ご存知でしょうか「投資貸付」。

正式な金融用語ではないと思いますが、

最近割とよく聞きます。

運用者と投資家が「金銭消費貸借契約」という契約を交わし、

一定の期間、一定の利率で資金を調達して運用、

契約で決めた利率を上回った分は運用者の取り分、

とまあこんな仕組みです。

たとえば、投資家が運用者に、

年利10％で100万円の「投資貸付」をすると、

一年後には110万円で戻ってくることが確約されます。

（正確には税金が引かれますが）

運用者は、年10％以上のパフォーマンスを出せば、

その分は全部自分の儲けということです。

・・・と、あえてまどろっこしく説明してみましたが（笑）

お気づきになりましたか？この「投資貸付」、要はただの借金です。

運用者が自分の運用スキルには自信があるが、

元手が少ない時などに投資家から借金した形で

運用資金を調達するわけですね。

「金銭消費貸借契約」というのはお金を貸し借りする契約のことです。

いわゆるファンドと違うのは、「利回りが確約」されていることですね。

そりゃそうですね。投資家は形式上は投資ではなく、

運用者に単にお金を貸しているわけですから。

出資法の範囲内であれば、比較的高い利息がついてお金が戻ってくると。

うまい言い方です「投資貸付」。そう言われると、

なんだか急にしっかりした金融商品のような響きがします^^;

しかも利回りが確約されているなんて、こんなステキなものはない。

・・・のでしょうか？果たして。

話は戻って、今回お会いした投資家の方は、

この「投資貸付」に関するトラブルを抱えておられました。

月ごとに一定の利息が支払われる契約だったのですが、

「急に利息の支払いがストップ」し、あろうことか

「利息が月払いから年払いに変更」され、さらに

「利率を4分の1にダウンさせる」という連絡がきたそうなのです。

しかも投資家サイドの一切の了解なく、です。

で、この方は今、返金請求をしている最中です。

お金、戻ってくるといいのですが・・・。

つまり、何が言いたいかと言うと、

同じ

なんですよ。投資貸付、なんてそれらしい言葉で、

しかも利回りを確約したとしても、お金を預ける以上、

リスクは変わらないのです。

ファンドに投資しようが、投資貸付にしようが、

最終的には、投資家が負うリスクは同じです。

むしろ確実に戻ってくると思っていたものが、

急にご破算にされている分、今回のケースはダメージが

大きいですよね。話が違う！と。

「いや、投資貸付は利回りを確約している契約書があるから、

裁判を起こせばいいんじゃないの？」

はい、それはごもっともです。

契約書があるから、裁判に勝てる確率も高いでしょう。

しかし！しかしです。

仮に勝訴して裁判所が運用者に利息の支払いを命じたとしてます。

裁判所がやるのは、そこまでです。

もちろんケースバイケースですが、

たとえば運用者が損失を出して資金を既に吹き飛ばしている場合、

「無い袖は振れない」ということになります。

法的には当然支払い義務がありますが、

払えないものは払えない、という話になってしまうのです。

その先は運用者と投資家とが話し合うくらいしかありません。

つまり裁判で勝ってもお金が戻ってくる確約は、

実のところないのです。

しかも裁判には費用がかかります。

幸運にも利息と元本が戻ってきたとしても、

何もしないほうがマシだった・・・

なんてことになっている場合もあり得ます。

だから、繰り返しますが「リスクは同じ」なのです。

言い換えれば、

リスクをとらなくていい投資なんて無いってことです。

最近、こんな感じのご相談を受けることが増えてきました。

そういう、投資家さんとの接点の場はできるだけ持っていこうと

思っています。

ではまた！

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