こんにちは。
前回に引き続き、FXはギャンブルなのか否か?
考えてみたいと思います。
前回の記事では、長期的に見てギャンブルでは勝つことはできない、
という身もふたもない(笑)お話でした。
それを覆すことになりますが・・・
実はギャンブルで儲けられる方法はあるのです。
それこそFXで利益を得る根幹の考えと共通する、大事な真理なのです。
そして、FXは果たしてギャンブルなのでしょうか(これが本題ですね)?
「レインマン」という映画をご覧になったことがあるでしょうか。
ダスティン=ホフマンとトム=クルーズが主演で、私の大好きな映画です。
それこそビデオテープが擦り切れるくらい見ました(テープというのが古いですね)。
その中でダスティン=ホフマン扮するレイモンド(レインマン)が、
ラスベガスのカジノで大儲けするシーンがあります。
その時のゲームがブラックジャックです。
ブラックジャックは戦略が使えるゲームですが運もあります。
しかし、確率的に最善の手法で戦っても99.3%のリターン率なのです。
最善の手法を知らない者はまさにカモです。
なのに、レイモンドは大勝しました。どのようにして勝てたのでしょう?
それは「カードカウンティング」という手法です。
詳細は省きますが、配られるカードを覚え、
残っているカードから可能性の高い時は賭ける枚数を多くし、
可能性が少ない場合は枚数を減らすのです。
この手法はマサチューセッツ工科大学の学生が考えだし、
週末になるとラスベガスに繰り出し大儲けをしたということです。
最近では「ラスベガスをぶっ潰せ」という映画が、
このエピソードを題材に出されています。
当然、カジノ側もこのカードカウンティングに対する対策を取り、
カードをその都度シャッフルして予想できなくする
シャッフルマシーンを導入し、カードカウンティングしている客を
マークするようになりました。
(カードカウンティング自体は違法ではないのですが)
その為、いまではこの手法も使えなくなり、
ブラックジャック必勝法は消えてしまったのです。
な~んだ。
結局儲かるうまい話はないんだ。
とお思いかもしれませんが、
このギャンブルのお話で伝えたかったことは、
そんなことではないのです。
通常のブラックジャックのリターン率は99.3%です。
カードカウンティングを使ったときのリターン率は100.7%です。
さあ、私は何を言いたいのでしょう。
そうです。通常のブラックジャックのリターン率は99.3%です。
客はわずかマイナス0.7%の不利な状況で負けてしまい、
カジノ側は大きな利益を得ているのです。
一方、レインマンやマサチューセッツ工科大の学生は、
わずか0.7%の有利な状況で大金を手にしたのです。
つまり、利益を得られるか得られないかは、
ほんのわずかのエッジが存在するかしないかで
決まってしまうのです。伝えたいのはここです。
例えば、スイングトレード派がポンド/円を130円でロングエントリー
140円リミット、120円損切りとします。1000pips対1000pipsで、
通常リターン率は100%ですが、スプレッド(5pipsとすると)があるため、
1005対995になります。リターン率は99.00%です。
このマイナス1%を上回るエッジを見出さなければならないのです。
例えばデイトレで、ポンド/円を130円でロングエントリーし、
131円リミット、129円損切りで設定したとします。
100pips対100pipsで、通常リターン率は100%ですが、
スプレッド(5pipsとすると)があるため、105対95になります。
リターン率は90.47%です。
(厳密にはこんな簡単に計算できませんがリターン率の例として)
このマイナス10%近くを上回るエッジを見出さなければならないのです。
ここで言いたいのはスイングの方がデイトレよりも
有利ということではありません。
スイングは遠い予想になるためマイナスの利幅が大きくなる
というマイナスエッジもありますしデイトレは直近の予想のため
マイナスの利幅が小さく早いうちに損切りできるというエッジもあります。
それよりも、たった数%されど数%ということなのです。
ほんの数%のエッジをいかに見つけてトレードするかなのです。
ほんの数%でもエッジを見つけ、プラスのリターン率に持っていければ利益がでるのです。
そしていくらリターン率が高くてもエッジがなく、100%以下なら、
やみくもにトレードしていれば遅かれ早かれ、
確実にゼロに向かっていくということです。
そしてこのお話の大命題、FXはギャンブルか?ということについての結論。
・・・残念ながらギャンブルだと思います。
いえ、正確に言えば「限りなくギャンブルに近い」ものだと言えるでしょう。
なぜなら、そこに何の生産性も発生しない「ゼロサムゲーム」ですから。
ですが、一つだけ違いを言えば、
唯一プラスにできる可能性のあるギャンブルだということです。
そして、その為にはブラックジャックで言うカードカウンティングの
様なエッジを見つけることです。
これは運ではなく、努力・勉強が必要になります。
それがあるから少しはギャンブル性が薄れて、
罪悪感も少なくなるのかもしれません。
前言を翻すようですが、その少しだけの違いが、
すなわちFXが投資なのか、投機なのか、
はたまたギャンブルであるのか、意見の分かれる要素なのだと思われます。
最後に、投資と投機とギャンブル、
この3つについて私の考えを述べさせていただき、
まとめたいと思います。
よく投資と投機は違うと言われていますね。
私も最初どう区別するかいまいちピンときませんでした。
今でもさほど理解していませんが。
ただ世間一般的に「投資」という言葉には、
成長すると感じた対象に対し、自己資産をつぎ込み、
将来を見込んで応援・援助すると言ったニュアンスがあるようですね。
また、貯蓄・貯金など長期的に元本が保証されているものも、
投資と呼ばれることがあるようです。
そこにはwin-winの関係が存在し、
関係する全ての者(=ステークホルダー)が利益を上げられる
という可能性があります。そして成長を願うと言う同じ方向性
が感じられます。
総じて健全な発想で好ましい印象があります。
株などはその会社の成長を望み、将来性があると判断し自己資金を
つぎ込むので投資に分類されますね。
しかし近年株の空売りが登場してからその立場が微妙になりつつあります。
多くの投資家が大反対したのも、
ゲーム化する投資の根源に関わることだったからかもしれません。
一方投機とはなんでしょう?これは資金を増やす機会と割り切り、
対象は関係なく自分の資金を増やすことを目的とするもの
とイメージされているようです。投資からすると著しく不健全ですね。
そしてその代表がFXです。例えばポンド/円を買った時、
まちがってもイギリス経済が成長してほしいなどとは考えないわけで、
単に自己資金が増える可能性があると考えたときのみに買うわけです。
さらに一番大きな違いは、投機はゼロサムゲームであるということ。
損する者、得する者が必ず存在し、
お互いの金銭を奪い合うと言う極めて醜い争いです。
ですから、結論を繰り返しますと、
残念ながら投機(FX)はギャンブルに極めて近い商品です。
外国為替証拠金取引というといかにも経済関係で
投資して健全な運用をしているようにも思えますが、
その実は投資ではなく投機という名のギャンブルで、
投資によく似た投機という言葉は、単なる隠れ蓑にすぎません。
ではギャンブルと投機の違いはなにが違うかと言うと、
資産を増やせる可能性があるかないかということです。
長々と書かせていただきましたが、
ギャンブルは確実に資金を減らしていきます。
しかし、投機は資金を増やす可能性があります。
運ではなく、努力によってプラスにできるエッジを
探すことができる要素をはらんでいるからです。
とはいえ、やはり金を稼ぐと言うのは並大抵の事を
していたのでは難しく、そのエネルギーをまっとうな仕事に
注いでいれば、FXで得られる金額以上の給与はもらえるのでは?
という考えもあります(苦笑)。
長々と本題に入らず、延々わき道にそれていくかのような
お話をさせていただきましたが、私のトレードに対する考え方の
一端を最初に知っていただくことが、
今後の為に最良と判断いたしましたので、
あえて序章として多くの分量を割かせていただきました。
ご意見や感想等ございましたら、
お気軽にどうぞ!
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