こんにちは。

今日は朝から東証さんがやらかしましたね。

システム障害で午前中、ソニーなど241銘柄の売買が停止しました。

東証は2010年から「ArrowHead(アローヘッド)」という、

新しい高速取引システムを導入していますが、

それ以降では初めての障害だそうです。

とはいえ、取引が一時的に止まるレベルの紹介が

ここ6～7年ほどで5、6回起きてますから、それによって

損失が出るなどした投資家は「またかよ！」という感じかもしれません。

東証のシステムは富士通が開発していますから、

それに対する賠償請求なんてこともあり得るかも・・・

以前、そんな話が出たこともありましたし。

ちなみに弊社ファンドは幸いにも、

システム障害の影響はありませんでした。ホッ。

ところで、東証の正式名称ご存知ですか？

・・・はい「東京証券取引所」ですね。

これはまぁ当たり前なのですが、実際には東証は

「株式会社東京証券取引所」

「東京証券取引所自主規制法人」

という二つの法人で運営されています。

そうなんです。公共性が強いように見えますが、

東証は株式会社なのです。ご存知でしたか？

これが何を意味するのかと言いますと、

株式会社は株主に配当を返さないといけませんし、

そのために企業の価値を高める必要があるということです。

つまりは最大限利益を求めなければならないわけですね。

これは良し悪しの話ではなく、株式会社なら当然そうです。

東証の収入源は、投資家から集める株式市場の取引参加料や、

企業の上場に関する各種の費用などが主ですが、

それらを最大化する必要があるということです。

そのためにはより魅力的な取引環境を提供するなどの

必要があり、新システムのアローヘッド導入にも株式会社として、

より顧客のニーズにこたえる必要があるという

背景のもとに行われた経営判断であり、設備投資であるとも言えます。

元々はニューヨーク証券取引所、ロンドン証券取引所と並び、

「三大市場」として名を馳せた東証も、

いまや上海証券取引所に売買代金で上回られ、

世界経済の中での存在感は薄まっていると言わざるを得ませんから、

東証も多少なりとも危機感を感じているはずです。

・・・とまあ、何が言いたいかというと、

日本の経済を担っている東証は、決して公的機関ではなく、

それ自体が利益を追求する株式会社なのです。

つまりは売り上げが上がらなければ存続できませんし、

利益に反することはしませんと。

そうはいっても公的性格の強い事業ですから、

行き過ぎた利益追求をしないよう、独立して「自主規制法人」を置き、

「株式会社東京証券取引所」の業務を監視しており、

一般の株式会社とは少し状況が異なりますが、

利益追求の原則は変わりません。

公共機関ではありませんから、

利益を度外視してより良いシステム開発をしたり、

設備を増強したりはできないということですね。

東証にしてそうなのですから、

証券会社やFX会社なども、もちろん株式会社であり、

したがって自己の利益を追究します。

彼らの収入源は株式や先物取引にかかる「売買手数料」や、

FXの「スプレッド(売買の価格差＝業者の手数料)」です。

これら手数料は、当然証券会社やFX会社が自分で決めます。

FXですと最近は「くりっく365」という市場取引の仕組みも

普及してきて、状況も変わってきつつありますが。

とはいえ、どのみちその手数料は買っても負けても投資家が

支払います。ですからぶっちゃけ、投資家が勝とうが負けようが、

手数料収入という面では、彼らにとってはあまり関係ありません。

沢山取引さえしてくれれば良いのです。

そう考えると、

沢山取引してほしい

↓

簡単に始められることをアピール

↓

簡単に儲かることをアピール

(リスクもあるけど・・・まぁ、それはパンフに小っちゃく書いとけばいいや)

という方向性になるのは、

利益を追究する株式会社としてはいわば当然の流れとも言えます。

国内の金融業界は、ちょっとこの流れが行き過ぎていて不健全な印象も

ありますが、基本はそういうことです。

繰り返しますが、それが良いとか悪いとか、

そういうお話ではありませんよ。

ただ、どこにどんなコストがかかっていて、

それは誰のフトコロに入っているのか？という感覚は、

資産運用をするならば、持っておくべきだと思いますし、

ご自身の大切な資産を預ける証券会社やFX会社は、

決してボランティアでやっているわけではないということです。

あ、もちろん、弊社も同じです(笑)

こうやって書くと当たり前のことですが、

時々、そのあたりをよくご理解されてない方もいらっしゃいますので・・・

東証さんのニュースがタイミングよく(？)ありましたので、

ちょっと書いてみました。

ではまた。

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